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相棒

状況、簡単な背景等は一番下に注釈させていただいたので、「何のこっちゃ」って方は先にそちらを読んで頂ければと思います。
-------------------------------------------------------------------------------------------ココカラ↓

う…(意識が戻るも、銃傷の痛みに顔を歪め、かつての相棒におぶわれてることに気付く)

あん、た、なんで… 私、を(助けたのかと言おうとして、男のバカ正直な性格に思い当たり、衝撃で言葉が続かない)

…。

あんたって、ほんとに馬鹿ね…

私はあんたたちのこと裏切ってたのよ。

(その俺を結局助けて、そのザマなら、馬鹿はおあいこだ、と茶化される)


(少し笑って)
ほんと、長く一緒にいすぎて、馬鹿が移ったのかしら…


(一つだけ、何のためにあんなことをやっていたのか教えてほしい、と聞かれる)

………。

…大したことじゃないわ。お金よ。
お金が、ほしくて…ずっとあいつらに協力してた。それだけよ。

あんたも…あたしの性格はよく知ってるでしょ? がっかり、した?

…。

あんた見てると、少しだけ父さんを思い出すわ。ふふ… 

誰にも話したことないくだらない思い出よ…。


うちの家ね、子供の頃死ぬほど貧乏だったの。

原因は「父の親友の作った莫大な借金」っていう、これまたくっだらない理由…

ドラマでよく見るあれよ、騙されて、勝手に連帯保証人にされてましたってやつ。

自分の身に起きると、あれほど笑えないこともないわね…。

正義感の強いお人好しな父親と、そんな父に心酔する夢見がちな母親。

「家族みんなでこの苦難を乗り越えていこう」って、貧しいくせに言葉だけは前向きな家族だったわ。

ふざけるなって思った。

何でこんな目にあうのか。私の境遇は、全部この馬鹿親のせいなんだって、ずっと軽蔑して恨んでたの。

でも…

それからほどなくして、無理な過労が祟った母が病気で死んだ。

そして私が16の時、今度は父さんが、自分に生命保険をかけてから他殺に見せかけた自殺をする形でこの世を去ったの。

…罪滅ぼしのつもり、だったのかしら。

私はっきり確信したわ。

私を惨めな思いにしたのはお金がなかったからで、私を窮地から救ったのもお金…

人が幸せになるには、結局お金しかないんだって。

…それから先は、…あんたも知ってのとおりよ。お金のためなら、ドブをすする思いで何だってやってきた。

(笑って)自分でもよくぞここまでって思うくらい。

…でも、不思議ね。
どれだけお金が増えて「嬉しい」とは思っても、そのことで「幸せだ」って思うことは無かった気がするわ。

それどころか…お金がないのに…なぜか幸せそうな人たちを見て…

どうしようもない怒りや負けた気分に打ちのめされることもあった…

私、「自分は間違ってない」って父さんたちに当てつける為だけにやってたのかし、ら… 

…! グッッ…(銃傷が強く痛み、出血が止まらない)

…これ…(混濁する意識の中、震える手で必死に古い手紙を渡そうとする)

あんたの… お母さんが残したものよ… あんたが、ずっと探して、た、手がかりが 書いてあるわ…

(もう喋るな、と言われるが、既にほとんど聴こえていない)

組織には… 見つけたら処分しろ、って いわれてたけど  

でも いっしょう、けんめい これ さがす あんたを見てたら

どう しても できなかった…  ふふ… もやさなく、て よかっ た…(事切れる)

----------------------------------------------------------------------------------------ココマデ

主人公の男とコンビを組みながら、ずっと敵対組織と内通していた女。

とらわれた敵の屋敷でその裏切りが露見するも、最後に撃たれそうになった男を思わず庇ってしまい、傷を負った状態で男におぶわれ、何とか逃げている最中の描写です。

「気が強くて金にうるさく、手段を選ばない行動力のある女」と
「詰めが甘く頼りないように見えて、優しく芯の強い男」みたいなコンビとして書いてみました。

前回同様、性別等を入れ替えたり、台詞をいじってもらってもおk。

また、やたら説明臭いト書きと、途中()内に男の会話内容を挟んではいますが、想像の助けになるよう入れただけなので、そっちは読まなくても大丈夫です。

+重傷の割に女喋りすぎだろ、とかこの二人の仕事って具体的にナンヤネーンとか、ツッコミどころ多々あると思いますが、
それらを気にしない(各自で補完できる)寛容な方々はどうぞ演じちゃってください^q^


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